重要参考人・被疑者との違い

被疑者と参考人としての任意の調べの違い

参考人と似た言葉に「重要参考人」、「被疑者」というものがあります。これらは、参考人とどのような違いがあるのでしょうか。

  1. (1)重要参考人とは重要参考人とは、現在は参考人の立場だが、犯罪の嫌疑があるかもしれない人のことをいいます。現時点では、被疑者ではなく第三者として取り調べに呼ばれているものの、実際は被疑者である可能性もあると見られている人のことです。

    一般に参考人は被疑者以外の第三者を指しますが、重要参考人は被疑者になり得る人を指しますので、その点で両者は異なってきます。

    重要参考人は、あくまでも「参考人」という立場になりますので、警察から取り調べの出頭を求められたとしても、呼び出しに応じる義務はありません。

    ただし、捜査が進むことによって、重要参考人が被疑者になる可能性もあります。そのため、正当な理由なく参考人としての出頭を拒み続けていると、その後の捜査で被疑者と判断された際に、捜査に協力せずに逃亡または証拠隠滅に及ぶおそれがあるとみなされて逮捕されるリスクがあります。
  2. (2)被疑者とは被疑者とは、捜査機関から犯罪の嫌疑をかけられている人を指します。被疑者が検察官によって起訴されると呼び方が「被疑者」から「被告人」に変わりますので、「被疑者」は、起訴前の捜査段階での呼び方ということになります。

    参考人は、被疑者以外の第三者を指しますので、被疑者とは明確に区分される用語です。他方、重要参考人と被疑者は似た立場にはなりますが、重要参考人は現時点では参考人になるのか被疑者になるのかが明らかではなく、捜査によって嫌疑が明確になった段階で、重要参考人から被疑者になると考えればよいでしょう。

    なお、被疑者は、捜査機関から犯罪の嫌疑をかけられていますので、状況次第では、逮捕や勾留によって身柄拘束を受ける可能性もあります。逮捕・勾留をされてしまうと、最大で23日間にわたり身柄拘束を受けることもあります。

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