2023年10月7日、イスラム組織ハマスがイスラエル南部の音楽フェス会場などを襲撃し、約1,200人を殺害、約250人を人質としてガザ地区に連れ去ったことで、イスラエルとハマスの大規模な武力衝突が始まりました。この出来事が現在のイスラエル・ハマス戦争の直接的な引き金となりました。
その後の経緯は以下の通りです。
2023年
- 10月7日:ハマスがイスラエルを大規模に攻撃。イスラエルは報復として「鉄の剣作戦」を開始し、ガザ地区への空爆と地上侵攻を開始しました。
- 10月下旬:イスラエル軍がガザ地区への地上作戦を本格化させ、ガザ北部を包囲しました。
- 10月27日:国連総会で、ガザでの「即時かつ恒久的な人道的停戦」を求める決議案が圧倒的多数で採択されました。しかし、この決議は拘束力のないものでした。
- 11月下旬:カタールの仲介により、人質解放と一時的な戦闘休止の合意が成立。数日間にわたって人質とパレスチナ人囚人の交換が行われ、ガザへの人道支援物資の搬入が一時的に可能になりました。
- 12月:停戦期間終了後、イスラエル軍はガザ南部への攻撃を強化し、多数の民間人が犠牲となりました。
- 12月12日:国連総会で、ガザにおける「即時人道停戦」と、ハマスに拘束されている全ての人質の解放を求める決議が、賛成多数で採択されました。
- 12月下旬:国連安全保障理事会で、ガザへの人道支援を拡大し、監視する仕組みを設けることを求める決議が採択されました。
2024年
- 1月:イスラエル軍はガザ地区内での作戦を継続。人道状況はさらに悪化しました。
- 3月:国連安全保障理事会で、ラマダン期間中の即時停戦を求める決議が採択されました。米国はこれまで拒否権を行使してきましたが、この時は棄権に回り、決議が成立しました。しかし、イスラエルはこの決議に従わず、軍事作戦を継続しました。
- 5月:イスラエル軍は、ガザ地区南部ラファへの地上侵攻を開始しました。ラファは、ガザ内の他の地域から避難してきた多数の民間人が身を寄せていた場所であり、国際社会から強い懸念が示されました。
- 6月:国連安全保障理事会は、米国が提示した3段階からなるガザ停戦案を支持する決議を採択しました。この停戦案には、全面的かつ完全な停戦、ハマスに拘束されている人質の解放、死亡した人質の遺体の返還、パレスチナ人囚人の交換などが含まれています。
現在の状況(2025年6月)
現在もイスラエルとハマスの戦闘は続いており、人道危機は深刻化しています。国際社会は停戦と人道支援の確保を強く求めていますが、停戦交渉は難航しています。イスラエルはハマスの壊滅と人質解放を目的としていますが、ハマスはイスラエル軍のガザからの完全撤退と永続的な停戦を求めています。
この紛争は、パレスチナの長年の問題と深く関連しており、解決には国際社会のさらなる努力が不可欠とされています。
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