【ドイツで今起きていること】移民難民問題のリアル

ドイツご出身の文筆家であるマイン・メンケラインさんと、東京大学教授の柳原伸洋さんをゲストに招き、ドイツの移民・難民問題や、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の伸長について詳しく議論されています。

https://youtube.com/watch?v=hTyIZoiHnBM%3Fsi%3DJHpO1VSTJ1bGExhg

動画の主な内容は以下の通りです。

1. ドイツ国民の現状と既存政党への失望

  • 国民の疲弊と諦め: ゲストがドイツから帰国した際の印象として、昨年は「とにかく疲れている」という感覚があったが、今年は政府が代わっても生活が大きく変わらないことへの「諦め」を感じたとしています [03:06]、[04:21]。
  • 既存政党への不満: 社会民主党(SPD)などの既存政党は、高齢者のための政治ばかりしているという社会的なムードがあり、若者を中心に失望感が広がっています [14:58]、[13:07]。
  • AfDの躍進: AfDは、政権への不満を背景に、選挙後には一時的に世論調査で支持率1位に躍り出るなど、全国的に支持を拡大しています [17:11]、[10:39]。

2. 移民・難民問題の「リアル」

  • 移民と難民の区別: 日本のニュースでモヤモヤするところとして、移民(労働者として移住)と難民(戦争や経済的理由で離散)の区別ができていない点を指摘しています [23:33]、[00:43]。
    • ドイツ経済にとって移民(労働力)は不可欠であり、国民もその点は理解している人が多いです [24:45]。
    • 問題とされているのは、難民申請中に公的な支援に頼って生活する人々や、経済的な理由で難民申請をする経済難民への負担です [24:52]、[25:31]。
  • 受け入れ体制の限界: 2015年の難民危機時には、経済的にまだ余裕があったドイツですが、コロナ禍とウクライナ戦争による経済状況の悪化(ガス価格の高騰など)が重なり、難民受け入れに対する国民のストレスと限界が来ています [29:16]、[29:45]、[29:55]。
  • 難民に対する壁: ミュンヘンでは、難民の一時滞在施設と地元住民との間の「音の問題」などを理由に、壁が建設された事例が紹介されました [26:21]。

3. EUと国境警備

  • 国境警備の強化: 現政権は、特に難民の主要ルートとなっている南の国境(オーストリア、チェコなど)で国境の検問を強化しており、鉄道を止めてのチェックが実施されています [17:57]、[19:46]。
  • EUの理想との乖離: これらの国境チェックは、EU圏内の自由移動を原則とするシェンゲン協定の理想(理念)に反するものであり、特別申請による期間限定の措置であるにもかかわらず、継続的に更新されています [22:20]、[22:25]。ゲストは「これは私が知っているEUではない」と感じたことを述べています [21:45]。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です