第二次世界大戦後、武力によって領土変更が行われた具体的な事例はいくつか存在します。以下に主なものを挙げます。

1. ソ連による領土拡張

  • 北方領土:
    • 第二次世界大戦末期、ソ連は日本との間で日ソ中立条約を破棄し、日本に宣戦布告しました。
    • その後、ソ連軍は北方四島(択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島)を占領し、現在もロシアが実効支配しています。
    • 日本はこれらの島々の返還を求めていますが、ロシアはこれを拒否しており、領土問題は未解決のままです。
  • 東ヨーロッパ:
    • ソ連は第二次世界大戦後、東ヨーロッパ諸国を勢力圏に組み込み、事実上の領土拡張を行いました。
    • これらの国々は、ソ連の支配下で共産主義体制となり、ワルシャワ条約機構に加盟しました。

2. 中東戦争におけるイスラエルの領土拡大

  • 第三次中東戦争(1967年):
    • イスラエルは、この戦争でヨルダン川西岸地区、ガザ地区、ゴラン高原、シナイ半島を占領しました。
    • その後、イスラエルはこれらの地域にユダヤ人入植地を建設し、実効支配を強めています。
    • シナイ半島は後にエジプトに返還されましたが、他の地域については領土問題が続いています。

3. インドネシアによる東ティモール併合

  • 東ティモール侵攻(1975年):
    • インドネシアは、ポルトガルからの独立を宣言した東ティモールに侵攻し、併合しました。
    • その後、東ティモールでは独立運動が続き、1999年にインドネシアからの独立を問う住民投票が行われ、独立が承認されました。

4. ロシアによるウクライナ侵攻と領土の併合

  • クリミア半島の併合(2014年):
    • ロシアは、ウクライナのクリミア半島に軍事侵攻し、住民投票を実施してロシアに併合しました。
    • 国際社会は、この併合を非難し、承認していません。
  • ウクライナ東部、南部地域の併合(2022年以降)
    • 2022年以降、ロシアはウクライナ東部、南部地域を軍事侵攻し、占領地域において住民投票を実施し、ロシアへの編入を一方的に宣言しました。
    • 国際社会は、この併合を非難し、承認していません。

これらの事例は、国際法で禁止されている武力による領土変更であり、国際社会において大きな問題となっています。

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