イギリスにいる難民の生活状況は、主に難民認定を待つ難民申請者の段階と、難民として認定された後の段階で大きく異なります。
現在のイギリスでは、難民申請者が急増しており、処理が追いつかず未処理案件が山積みになっているという状況が見られます。
難民申請者(認定待ちの人々)の生活
- 住居:
- 難民申請中は、政府の委託業者が借り上げた宿泊施設(ホテルなど)に収容されることが多いです。ただし、この「難民ホテル」の運用は、住民や自治体との間で論争を呼ぶこともあります。
- 政府は難民申請者が特定の地域に集中しないよう「分散」政策をとっており、住宅価格の安い地方都市などに難民申請者が集中する傾向が見られることがあります。
- 生活費:
- 政府から提供される施設(食事付きが多い)に入居している場合、週ごとに少額の生活費が支給されます。
- **原則として、難民申請中の就労はほとんど認められていません。**このため、経済的な自立は難しく、生活は公的支援に頼らざるを得ない状況です。
- 社会との関わり:
- 支援団体が難民申請中の人々に対し、難民申請手続きの支援や、英語、PCスキル、職業訓練などの教育機会を提供しています。これは、難民認定と就労許可がおりた後の社会復帰を目的としたものです。
難民認定後の人々の生活
- 難民として認定されると、就労許可が得られ、より広い範囲の公的支援を受ける資格も得られますが、それでも生活は厳しい状況にあることが多いようです。
- 生活苦:
- 経済状況の悪化や政府の財政再建政策の影響もあり、難民や移民に対する待遇が厳しくなっているとの指摘もあります。
- 移民排斥の風潮や貧困の問題は、イギリスが抱える社会問題の一部となっており、難民もまたその影響を受けています。
イギリスでは、シリア、アフガニスタン、イランなど、世界各地からの難民が保護を求めていますが、特にドーバー海峡を渡って非正規の方法で入国しようとする人が急増し、世論を二分する問題となっています。政府は、一部の不法入国者をルワンダへ移送する計画(ルワンダ計画)を打ち出すなど、対応に苦慮しています。
要約すると、ウクライナ以外の難民は、認定待ちの段階では厳しい生活制限の下で公的支援に依存し、認定後も貧困や社会的な課題に直面することが多いと言えます。
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