- 2024年3月12日
元西播磨県民局長は、知事の斎藤や副知事の片山、その他の幹部職員らを告発する7項目にわたる内部告発文書を作成し、兵庫県警、国会議員、県会議員、報道各社の計10箇所に匿名で送付した。
送付先は10ケ所、下記の通り、
兵庫県警捜査2課
産経新聞 神戸新聞 日本放送協会(NHK)朝日新聞
竹内英明(ひょうご県民連合、県議)
山口晋平(自民党、県議)
黒川治(自民党、県議)
末松信介(自民党、参議院議員) - 3月20日
知事の斎藤元彦は、民間の一般人からの情報提供により、3月12日の匿名の告発文書が出回り始めていることを把握し、文書を入手した。 - 3月21日
斎藤は知事室に、副知事の片山安孝(当時の県の最高人事責任者)と、総務部長(県の内部調査責任者)と、県民生活部長と、産業労働部長を集め、告発文書を見せ事実関係を確認した上で、誰がどういう目的で出したのか、徹底的に調べるよう指示を行った。
調査指示を受けた片山は、総務部長や、産業労働部長や、調査を実行する人事課担当者と協議。その協議で、告発文書に多くの項目が存在するため、複数人でやってるのではないかという疑いが浮かび、公用メールの調査を行うことを決定し、県(総務部職員局人事課、人事局とも呼ばれる)による内部調査が始まった。 - 3月25日
片山と人事課長は、西播磨県民局をアポなしで訪れ、元西播磨県民局長の公用パソコンを回収し、元県民局長に対し事情聴取を行った。当時、押収された元県民局長の公用パソコンから、告発文書とともに、メール記録からは『クーデター』『革命』『逃げ切る』という言葉が確認された。
県は内部調査によって、この公用パソコンからは、業務と関係のない私的文書や、人事課の管理職時代に私的に持ち出した特定の職員の顔写真データや、2022年5月に匿名で送付された部下職員の人格を否定する文書や、個人のプライベートな情報等が記録されていたとしている。 - 3月27日、県は、3月31日付で退職予定の元西播磨県民局長を、27日付で総務部に異動させ退職を保留し、4月1日付で役職定年とする異例の人事を発表した[。
- 県(斎藤)は、同日の記者会見で、この元西播磨県民局長の異例の人事に関する、記者からの質問に対し、現在は人事当局を中心に内部調査中と説明したうえで、「この文書の内容には、事実無根の内容が多々含まれており、職員等の信用失墜、名誉毀損など、法的な課題があると考える。現在、被害届や告訴なども含めて、法的手続きの検討を進めている」、「不満があるからといって、業務時間中に、嘘八百含めて、文書を作って流す行為は公務員としては失格」と発言し説明した。
- 3月27日、県は、3月31日付で退職予定の元西播磨県民局長を、27日付で総務部に異動させ退職を保留し、4月1日付で役職定年とする異例の人事を発表した。県(斎藤)は、同日の記者会見で、この元西播磨県民局長の異例の人事に関する、記者からの質問に対し、現在は人事当局を中心に内部調査中と説明したうえで、「この文書の内容には、事実無根の内容が多々含まれており、職員等の信用失墜、名誉毀損など、法的な課題があると考える。現在、被害届や告訴なども含めて、法的手続きの検討を進めている」、「不満があるからといって、業務時間中に、嘘八百含めて、文書を作って流す行為は公務員としては失格」と発言し説明した。
- 4月4日、元西播磨県民局長は「調査方法があまりに非常識・不適切で、真相究明を期待することは到底できない」として、県庁内の公益通報窓口へ改めて実名で告発文書を提出した。
今回は、2024年3月元県民局の文書が公益通報なのか論点ので以後の経緯や内容、公益通報外のパワハラは2025年3月の第三者員会の報告を除き割愛する。
■第三者委員会の評価と法的な面での反論
1. 第三者委員会による「公益通報」認定の根拠
第三者委員会は、2024年3月12日の文書配布について、以下の論理で「公益通報」であると認定しました。
元県民局長の告発「公益通報の要件を満たす」と判断 第三者委員会が報告書を提出
- 「構成要件」の緩和: 犯罪行為等のすべてを厳密に立証する必要はなく、その一部を主張していれば通報として成立する。
- 結果論による真実相当性: 後日の調査で内容の一部に真実(贈答品(コーヒーメーカー)の受領、特定の企業への利益供与(パレードへの寄付金関連))が含まれていた以上、3月時点でも「信じるに足りる相当な理由(真実相当性)」があったとみなすべきである。
- 保護理念の優先: 手続きや様式の不備よりも、告発内容の公共性を重視し、知事による調査(犯人探し)を「通報者への報復」と断定した。
2. 公益通報者保護法(第三条)との決定的な乖離
法律の条文と照らし合わせると、第三者委員会の判断は「法を無視した解釈」と言わざるを得ません。
① 外部通報(3号)の厳格な要件
元県民局長は報道機関等10カ所に送付しており、これは法第3条3号(外部通報)に該当します。外部通報には、組織へのダメージが大きいため、内部通報よりも格段に厳しい条件が課されています。
- 情報経路:公益通報指定先からではなく、一般人から知事にこの文書が届いた。
② 法が定める「様式」の無視
公益通報者保護法 第3条2号には、保護されるべき通報の要件が明記されています。
- 氏名・住所の記載(イ): 3月時点の文書は「名無し」であり、この時点で法の保護要件から外れています。
- 思料する理由(ハ・ニ): なぜそれが法令違反なのかという具体的根拠が必要です。第三者委員会が言う「構成要件の一部で良い」という解釈は、法第3条の文言を実質的に無効化するものです。
- 外部通報先の限定:法2条に厳格に定められている「被害の拡大を防止するために必要であると認められる者」すなわち報道機関、消費者団体、事業者団体、労働組合 など。
外部通報先
3. 消費者庁(所管官庁)の見解との矛盾
制度の設計者である消費者庁は、通報を受ける側の「認識」を重視しています。
消費者庁の見解: 「公益通報だとして聞いたのであれば扱わなければならないが、公益通報であることを聞かなかったのであれば、当該内容が公益通報だと知らないことになるので、配慮はできない」
https://x.com/i/status/1869260830950465707
3月20日の時点で、知事が一般人から受け取った文書は「出所不明の誹謗(ひぼう)中傷性の高い文書」です。指定公益通報先から「これは公益通報である」でかつ様式(氏名・住所の記載や思料する理由)を整えて意思表示をしない限り、受け取った側には「公益通報として扱う義務」は発生しません。
4. 結論:第三者委員会の判定がいかに非現実的か
第三者委員会の判定は、法治主義の根幹を揺るがす極めて危険な拡大解釈である。
- 法の定義を無視: 委員会は公益通報者保護法の「告発の定義(要件)」をほぼ無視し、後出しの「正義感」で知事を断罪しました。
- 実務の崩壊: 受け取った側は、常に「法」に基づいて処理します。もし「名無し・根拠なし・バラまき」の文書をすべて「公益通報」として扱うことはありえません。第三者委員会のような拡大解釈を許せば、行政組織は誹謗中傷や機密漏洩に対して一切の調査ができなくなり、制度自体が完全に破綻します。
法は「要件(プロセス)」を重んじるからこそ機能します。結果が正しければルールを無視して良いという第三者委員会のロジックは、もはや「法」ではなく「世論に迎合した裁き」に過ぎません。
■補則:各種反論に対する回答例
- 告発文書には、知事や副知事ついても書かれていたのに公益通報可否の判定に第三者の見解を入れなかった。これは、公益通報違反にあたるのではないか?
【回答】
法律には公益通報保護の可否を第三者を入れて判断せよとは書かれてなく、県職員の判断をもとに知事が最終決断したに過ぎない。 - 犯人捜しは違法だ
【回答】
公益通報に相当しない内容が事実と異なり、実名や企業名が含まれているため、そのままにしておくと多方面に著しい不利益を与えることが予想され、放置できないと判断したため、ネットワーク上のプロセスを確認。元県民局長が文書を作成した疑いがでてきたため、機密情報漏洩の疑いで面談を行ったまで。 - パソコンを押収したのは違法だ
【回答】
県民局長が機密情報漏洩を認めたため公用パソコンを押収し、調査した。あくまで、機密情報漏洩の確認調査なので違法性はない。 - 兵庫県が依頼した、弁護士で構成される「第三者委員会」の指摘(知事側の対応は公益通報違反で不当)をなぜ受け入れないのですか?
【回答】
兵庫県が依頼したのは確かだが、その結果を受けるかどうかは法令に従って判断する。
元県民局長の作成した文書は「誹謗(ひぼう)中傷性の高い文書で、公益通報にあたらないという意見もある」とし、文書に関する一連の県の対応は「適切だった」として第三者委員会会の報告を受け入れていません。
日経新聞 - 消費者庁や高市首相から兵庫県の公益通報の対応において誤りであったとの指摘があったのでは?
【回答】
消費者庁は「公益通報者保護法の法定指針は3号通報(外部通報)に関する体制整備義務について規定している部分がある」としただけ、兵庫県の公益通報に関するものでの指摘ではありません。
衆議院消費者問題特別委員会
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