報告書P131
(1)通報対象事実要件充足の有無
ア本件文書が公益通報に該当するためには、まず、保護法2条3項の「通報対象事実」(通報の対象となる法令違反行為)の要件を充たしていることが必要である。
保護法2条3項は、通報対象事実を、一定の法令違反行為(保護法や政令で定められた法律に違反する犯罪行為若しくは過料対象行為、又は最終的に刑罰若しくは過料につながる行為)に該当する事実に限定している。文書に通報対象事実が記載されているかの判断は、文書内容自体から行うとされているが、現実の通報においては、通報の時点では抽象的な内容や事実を伝えるにとどまることが多いことに照らすと、問題となる犯罪行為等の構成要件のすべてを伝えていなければ公益通報に該当しないというのは社会通念上相当ではない。構成要件の一部を主張していればよいと解するのが相当である。
意訳
保護法2条3項では『通報内容が違法である証明』が必要とされているが、内容が『伝聞』であったとしても、『社会通念』に照らせば、証拠がないことのみをもって『公益通報ではない』とするのは現実的ではない。一部の主張に真実相当性があればよいとするのが正しい解釈である。
結論として: 「証拠がないから公益通報ではない」とするのは現実的ではない(=だから証拠がなくても通報として認めよう)という委員会の評価は、裏を返せば「この通報には、法的に必要な証拠が最初から存在しなかった」ことの動かぬ証拠です。
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